映画「ドールハウス」をドールオーナーが解説!(一部ネタバレあり)

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こんにちは。ドールオーナー歴10年以上のcocoです。当ブログでは、ドール専門の視点から「ドールハウス 映画」の魅力を紐解きます。映画の評価や原作について、そしてドールオーナーならではの視点で、作品に隠されたドール文化の要素を探りつつドールの魅力を紹介いたします。

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ドールオーナーさんにもおすすめのホラー映画です。ストーリーのネタバレ解説ではありませんので楽しんでいただければ幸いです

ドールオーナーとは人形愛好家のこと。人形(ドール)を所有し、癒しの存在として愛情を込めて扱う人のことです

目次

はじめに:映画「ドールハウス」とドール文化の魅力

映画「ドールハウス」は、ドールが持つ神秘性と恐怖を描いた話題の作品です。5歳の娘を亡くした夫婦が、娘にそっくりな人形を手に入れたことから不可解な出来事が始まり、恐怖に巻き込まれていきます。

5歳の娘・芽衣を亡くした鈴木佳恵(長澤まさみ)と夫の忠彦(瀬戸康史)。
哀しみに暮れる佳恵は、骨董市で見つけた、芽衣によく似た愛らしい人形をかわいがり、
元気を取り戻してゆく。
佳恵と忠彦の間に新たな娘・真衣が生まれると、2人は人形に心を向けなくなる。
やがて、5歳に成長した真衣が人形と遊ぶようになると、一家に変な出来事が次々と起きはじめる。
佳恵たちは人形を手放そうとするが、捨てても捨てても、
なぜかその人形は戻ってくる…… !
人形に隠された秘密とは?そして解き明かされる衝撃の真実とは―― !?

映画「ドールハウス」公式ホームページより
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この映画は、ドールオーナーにとって特別な響きを持つ作品です。なぜなら、ドールは単なる物体ではなく、心の癒しや文化的な意義を持つ存在だからです

ドールハウスDVD

ドール」とは?映画に登場する人形の文化的背景

そもそも「ドール」とは、単なる人形ではなく、作り手の想いや所有者の感情が宿る特別な存在です。日本の文化では、ドールは「ヒトカタ(人形)」として依代の役割を果たし、例えば大祓や人形流しで穢れを移す儀式にも登場する神秘的な存在です。

近年のドール界隈では、ホビーとして、リカちゃんやシルバニアのようなドールがこどもだけでなく、大人の女性に人気です。さらに、近年では「ドルおじ」というおじさんが人形を愛好する漫画も話題を集めています。

一方、作品に登場する人形は「創作人形」に近いと感じました。日本では市松人形、西洋ではビスクドールが有名ですが、映画「ドールハウス」の人形「アヤ」は、和風っぽさがあるものの、ビスクドールの要素も併せ持っている印象です。

「創作人形」というのは、石膏や粘土で作られる創作人形作家によるオリジナルドールのことです。創作作家による「創作人形」が注目を集め、まるで「生きている」かのような魅力でオーナーを惹きつけています。

 映画「ドールハウス」では、「生き人形」というキーワードが登場します(※後述のネタバレセクションで詳しく解説)。このような人形は、江戸時代後期から明治にかけて見世物として人気を博した「生き人形(いきにんぎょう)」を彷彿とさせます。ドールオーナーとして、こうした文化的背景を知ると、映画の深みが一層感じられます。

生人形(いきにんぎょう)は、日本の見世物のひとつ。 活人形とも表記される。 江戸時代の見立て細工のひとつ「生人形細工」として生まれ、1850年代後半から1880年代にかけては物語の登場人物を迫真的に表現した等身大の人形として見世物興行に使われて人気を博した。

「生人形(いきにんぎょう)」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』
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「生き人形」の一部の作品は現存し、東京国立博物館 などのコレクションで確認できるそうです

映画「ドールハウス」の原作はない

映画「ドールハウス」の原作者(原案・脚本・監督)は矢口史靖さんです。ドールハウスは谷口さんのオリジナルミステリーで原作は存在しないようです。映画のノベライズ本は出版されています。原作というならこの本が近いと思います。

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恐ろしいストーリーから稲川淳二さんの怪談を彷彿とさせますが、内容がまったく違い、オリジナル作品です

映画ノベライズ本

ドールセラピー:映画とドールオーナーの共通点

映画「ドールハウス」の母親が娘そっくりのドールに執着する姿は、ドールオーナーにとって共感を呼ぶ場面です。この行動は、介護の現場で導入されている「ドールセラピー」や「ぬいぐるみセラピー」とよく似ています

ぬいぐるみセラピーとは、ぬいぐるみと触れ合ったり抱きしめたりすることで、孤独感や不安感を軽減し、精神的な癒しを得る療法です。

ぬいぐるみも家族!~ぬいぐるみセラピーの効果について『障がい者.com』

私、cocoも数年前に「適応障害」と診断され、ぬいぐるみセラピーやドールセラピーで心の平穏を取り戻した経験があります。現在も、ドールやぬいぐるみをそばに置くことで、癒しと心のバランスを保っています。 

ドール界隈では、うつ病や適応障害などのメンタル不調を抱える方が「癒し」としてドールを愛好するケースが少なくありません。「ドール 癒し」や「ドール 障害」で検索する方が多いのも、ドールが心の支えになる直感的な魅力があるからかもしれません。 

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映画の母親の行動は、こうした心理的背景を映し出しており、ドールオーナーならではの視点で評価すると、作品の人間ドラマがより深く感じられます

ドールに感じる癒しについて

中古の人形:映画の恐怖とドールオーナーの注意点

映画では、母親が拾った「中古の人形」が物語の恐怖の鍵となります。この人形は、愛されたいという意志を持ち、本当の娘・真衣を痛めつける存在として描かれます。ドールオーナーとして感じるのは、ドールには時に「気」や「想い」が宿るということ。私の経験では、新品のぬいぐるみでも不思議な出来事を体験をしたことがあります

ドールには、穏やかなものから強い個性を持つものまで、まるで人間のような多様性があるのかもしれません。 風水では、中古の品には前の持ち主の「気」が移るとされ、特に人形は依代として強いエネルギーを持つとされます。一部のドールオーナーは持ち主が選ぶのではなくドールに「選ばれた」ような体験をした人もいます。人形側が選ぶというのです。映画の母親がお迎えした人形「アヤ」は、母親が「選んだ」のではなく、アヤ(人形)に「選ばれた」のかもしれません。

現実では、こうした「曰く付き」の人形は関わらず、もしもお迎えした後に手放す場合は、人形供養を受け入れる神社やお寺に相談するのが賢明です。 ドールオーナーとして中古のドールをお迎えする際は、直感を大切にしてください。不安を感じる場合は新品を選ぶか、信頼できる販売元で購入するのがおすすめです。 

お迎えとは人形を購入したり、譲り受けたりして、迎え入れることです。単なるモノではなく癒しの存在として愛情を込めたドール用語です。

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映画の恐怖はフィクションですが、ドールの神秘性は現実でも感じられるものですね。中古ドールについてはこちらで詳しく触れています

中古ドールのお迎え

【ネタバレ注意】生き人形:ドールハウスとドール文化の交差点

以下のセクションには「ドールハウス 映画」のネタバレが含まれます。ネタバレを避けたい方は、次のセクションへお進みください

映画「ドールハウス」の人形は、死んだ少女の遺灰で作られた「生き人形」として描かれます。この設定は、ドールオーナーにとっても衝撃的ですが、実は現実のドール文化でも、血液や特別な素材で作られる創作人形が存在します。

また、映画に登場する人形のように、持ち主を選ぶドールも存在すると密かに噂されています。有名なのは、恋月姫さんの創作人形です。彼女の人形は「ドールオーナーを選ぶ」こともあると言われ、その芸術性と神秘性が愛好家に知られています。 映画の「生き人形」はフィクションですが、ドール文化の深さを知ることで、作品のミステリアスな魅力がさらに際立ちます。

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恋月姫さんは写真集を出版されています。不定期で展覧会も開催されていますので、公式ホームページからご覧ください

恋月姫さん写真集

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ドールオーナーの視点で「ドールハウス」を評価

「ドールハウス」をドールオーナーとして鑑賞した感想は「人形をお迎えしてしまったなら仕方ない」という一言に尽きます。ドールをお迎えしならば、最後まで面倒を見るのがドールオーナーの常識です。手放す場合は、里子に出すまで愛情を込めて扱います。

映画の母親だけでなく家族まで巻き込む人形の力は、相当なもの。リアルでは出会いたくない、強烈な存在感ですね。 映画の評価としては、ドールオーナーならではの視点で楽しめる作品です。恐怖と癒し、神秘性が交錯するストーリーは、ドール文化に興味を持つ方にとって必見です。

「里子」とは、ドールを手放す際に使われる言葉で、次のオーナーさんに譲り渡すことを愛情を込めて「里子に出す」と言います

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怖いと感じる方は、ドールと距離を置くのが賢明ですが、この記事を読んでいるあなたには、ドールオーナーの素養があるかもしれません。気になったらこちらの記事もどうぞ

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この記事を書いた人

cocoのアバター coco ミニマリストドールオーナー

シュガーカップス(ショコラーラ)のmimiを一人っ子で可愛がっています。

ドールオーナー歴13年(過去10年+復帰3年)| ミニマリスト歴10年 | ブロガー歴5年 | ディーラー経験あり | ドール初心者に役立つ知識を発信中

ドールオーナーさん達のお役に立てましたら幸いです♡

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